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2007年03月01日(木) 00時00分

<東京カフェ>揚げパン 東京新聞

 「揚げパンが給食に出たよ。甘くておいしかった。パンのバケツの底にたまったお砂糖を、男の子たちが競争で“お代わり”していたよ」。わが家の娘から聞いた、小学校の教室の風景だ。

 食糧難の昔ならともかく、ただでさえ脂肪や糖分過剰な現代、なぜ給食に揚げパンなのだろう。

 ご飯を主食とした日本の伝統食こそ、子どもの健康や成長に最適。学校は完全米飯給食を−。ロングセラー「粗食のすすめ」著者、幕内秀夫さんの長年の訴えだが、甘いパンは今も給食に多い。

 都内某市の小学校の二月献立。米飯は十九日中の八日。他は、ブドウパン、きなこ揚げパン、カスタードピーチパイ…。

 この学校に息子が通う、幕内さんに共感する母親の話。「甘いパンの日は、おにぎりを持たせて“抵抗”しています」

 そこまでする度胸はないが、子どもの「食育」は学校や行政任せにできない。せめて家では、うまい米のめしを食わせてやりたい。きょうも夜勤を終えて帰宅したら、米をとごう。女房から「帰ったら米といで。あと洗濯もね」とメールが届いたので…。 (榎本哲也)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070301/lcl_____tko_____004.shtml