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2007年03月01日(木) 00時00分

『製造当時、殺虫剤程度の毒性と認識』 神栖ヒ素問題 責任裁定で国が釈明 東京新聞

 神栖市の井戸水がヒ素に汚染された問題で、健康被害を受けたとして同市の住民三十四人が、公害等調整委員会に申請した責任裁定の第二回審問(加藤和夫委員長)が二十八日、東京都内で開かれ、住民側、国、県がそれぞれの準備書面の陳述を行った。

 この日の審問では、委員長が前回それぞれの書面について指摘した点に対し、双方が回答し、争点を詰めた。

 国は、有機ヒ素化合物「ジフェニルアルシン酸」は農薬の原料としての用途があったとあらためて主張。その上で、製造当時、その毒性は、殺虫剤程度と認識していたと説明した。

 農薬として払い下げられた過程については「六十年近く前のことで、実情、調査は手詰まり状態です」と釈明する場面もあった。

 裁定では今後、膨大な証拠資料を精査し争点を絞り込み、現地調査、証人尋問などを行う予定。第三回審問は、五月二十四日に行われる。 (高橋知子)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20070301/lcl_____ibg_____002.shtml