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2007年02月28日(水) 00時00分

日興上場廃止でシティの子会社に…みずほ脱落ZAKZAK

 日興コーディアルグループが上場廃止の方向となったことにより、同社が米シティグループの子会社となる公算が大きくなった。不正会計問題で厳しい経営環境に置かれている日興に対しては、みずほフィナンシャルグループ(FG)も上場維持を条件に支援に乗り出す構えをみせていたが、アテが外れた。3月初めにもシティと日興の首脳クラスの話し合いが行われる予定で、同社の不祥事に端を発した大型証券再編はいよいよクライマックスを迎える。

 シティは日興に4.94%出資する筆頭株主。合弁で法人取引を専門に行う日興シティグループ証券(日興が51%、シティが49%出資)も設立している。

 そのシティが日興の買収に乗り出すことが表面化したのは、先週末のこと。

 同社が上場維持なら出資比率を33.3%超まで引き上げ、上場廃止なら完全子会社化する方向で調整していた。

 「買収に関するシティと日興の話し合いは早い段階から進められ、途中経過は金融庁にも報告された。つまり、監督官庁である金融庁も買収に理解を示していたとみるのが自然」(関係者)

 ということは、上場廃止の方向となった今、日興がシティの子会社になる公算は極めて大きいといえる。

 日興の時価総額は27日の終値時点で約1兆3000億円。完全子会社化するには1兆2000億円超の追加出資が必要になるが、金銭面の問題はないとみられている。

 「シティグループの世界戦略の中で日本は最重要拠点の1つ。日本でのM&A(企業の合併・買収)には、いい案件があれば、カネに糸目をつけずに進める方針となっている。シティは日本で消費者金融事業に力を入れていたが、法律改正で貸出金利を引き下げざるを得なくなり、事業縮小を余儀なくされた。それに代わるターゲットが日興というわけだ」(金融関係者)

 一方、日興に関心を示していたみずほ。支援は日興の上場維持が条件だった上、「持ち株会社のみずほFGと傘下のみずほコーポレート銀行とでは支援に対する温度差があり、“内部分裂状態”だった」(関係者)こともあり、シティを出し抜けなかった。

 みずほは今後、日興との業務協力など緩やかな関係を模索するとみられている。 

ZAKZAK 2007/02/28

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007022827.html