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2007年02月28日(水) 09時45分

ビル強度不足で、2億6千万円の賠償命令 宇都宮地裁朝日新聞

 宇都宮市内の9階建て商業ビルのオーナー(57)が、ビルの強度が不足しているとして、施工した磯部建設(栃木県日光市)などに損害賠償を求めた訴訟で、宇都宮地裁が解体・建て替え費用などとして2億6000万円余の支払いを命じる判決を言い渡していたことがわかった。福島節男裁判長は「溶接の瑕疵(かし)により、外壁の落下の危険や通常経験し得る規模の大地震で部材が変形する恐れがある」と指摘した。

 判決は22日付。同建設側は23日、「補修で間に合う」として控訴した。

 ビルは92年、総額約3億5000万円をかけて完成。1〜6階にテナントが入り、7階より上は空室。

 判決は、柱同士の溶接部が32カ所、柱と梁(はり)の溶接部が154カ所でずれており、「ビル全体に点在している可能性が高い」と推定。さらに、外壁も落下する危険性があるとした。

 そのうえで、福島裁判長は、「いったん解体して建て替えない限り、大地震によって居住性が害されたり、大きな支障が出る変形が生じたりする」として、「建て替えるほかないというべきだ」と結論づけた。

 磯部建設側は、「補修で十分に対応でき、建て替える必要まではない」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0228/TKY200702270441.html