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2007年02月28日(水) 23時11分

「あるある」捏造、新たに3件 関テレが再報告書朝日新聞

 フジテレビ系で放送された「発掘!あるある大事典2」のデータ捏造(ねつぞう)問題で、制作した関西テレビ(大阪市)は28日、総務省に再報告書を提出した。この中で新たに3回分の放送で、外国人のインタビュー内容の改ざんなど、「納豆ダイエット」の回で「捏造」としたのと同様の手法があったと認定。「納豆ダイエット」の回では「放送法に抵触する内容」があったことも認めた。

05年10月16日に放送された「発掘!あるある大事典2」の映像。字幕の内容は実際のコメントとは違っていた=関西テレビから

会見に臨む千草宗一郎・関西テレビ社長=28日午後8時3分、大阪市北区で

 菅総務相は28日夜、同局への行政処分などは、3月中旬にまとまる社外メンバーによる調査委員会の報告を待って判断する考えを示した。

 3件は、関西テレビの社内調査で問題が明らかになったとした「有酸素運動の新理論」と「あなたのダイエットフルーツはどっち?みかんorリンゴ」の2件と、報道で捏造疑惑を指摘されていたものの7日の報告では「調査中」としていた「みそ汁ダイエット」。これら3件は、「納豆ダイエット」と同じ孫請け会社「アジト」が制作を手がけた。

 「有酸素運動」の回では、米国の研究者が「この新理論を毎日3分間実践すれば、効果は期待できます」と説明する様子を放送したが、実際は「3分間の運動をして、代謝を大幅に上げることを示した研究を見たことはない」と話すなど、研究者のインタビュー内容を改ざんした。

 「ダイエットフルーツ」の回では、ミカンの成分が血糖値を抑える働きがあることを実験した際、被験者にあまり顕著な結果が出なかったにもかかわらず、著しい成果が出たかのようにグラフを偽った。

 報告書では、ほかにも不自然さや疑問点のある放送回がいくつかあるとしている。しかし、報道で疑惑が指摘された8件のうち「みそ汁ダイエット」を除く7件については捏造を否定した。

 また、今回の問題にはプロデューサーから社長までそれぞれの責任が存在し、最終的な責任は社長にあるとした。ただ、記者会見した千草宗一郎・関西テレビ社長は自身の進退について、「全容が解明されれば当社の責任が明確になる」などと述べるにとどまった。

 再発防止のため、番組制作部門を増員して入念なチェックを可能にすることや、社長直轄の内部監査室を新設することを報告。番組で取り上げた食品の関係業界とのタイアップについては「なされていない」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0228/OSK200702280089.html