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2007年02月27日(火) 00時00分

新年度予算案で23区が施策  地域に団塊パワーを 東京新聞

 戦後の右肩上がり時代を駆け抜けてきた団塊世代の大量退職が本格化するなか、二十三区の新年度予算案には、これまで企業などにつぎ込まれていた団塊パワーを地域社会に取り込んでもらおう−といった狙いの施策が盛りだくさんだ。

  (越守丈太郎)

 港区は明治学院大学と協力し、六十歳以上の区民らを対象とした「チャレンジコミュニティ大学」を四月に開学する。地域での孤独死問題や一人暮らし高齢者対策にかかわるために、必要な教養を身に付けてもらおうという狙いだという。

 一年間かけて社会福祉学と健康増進法を中心に学ぶほか、明学大学教授らによる経済学、行政学、政治心理学、文学、美術史などの一般教養も受講する。週二コマで全五十三コマを履修。一泊二日の宿泊研修もある。区によると、大学と行政が提携して人材育成教育を行う取り組みは、全国的にも珍しいという。

 募集人員は約六十人。高輪地区総合支所くらし応援課保健福祉係=(電)(5421)7085=で、三月九日まで応募を受け付けている。

 同様に、学習機会を提供してボランティアなど地域社会に貢献してもらう試みは、中央、新宿、練馬、豊島、板橋、北区なども取り組んでいる。

 世田谷区は、地域貢献活動に取り組みたいと思っている五十五歳以上を対象に「せたがやサポーターズ」として登録してもらい、活動に応じてポイントを加算。区内で利用可能な共通商品券などに交換する「生涯現役ポイントシステム」の構築を進めている。

 「まだまだ働き足りない」と思っている中高年への支援策もある。

 品川区は五十五歳からの職業紹介所「サポしながわ」の事業拡大を支援し、区外の企業への求人開拓を推進するほか、再就職支援のためのスキルアップセミナーを開く。葛飾区は「シニア就業支援室」を通じて、パートや有償ボランティア、民間非営利団体(NPO)での就業を支援。足立区も同様の支援策で地域の活性化を図っている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070227/lcl_____tko_____000.shtml