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2007年02月27日(火) 00時00分

小さな善意、提案2200通 府中朝日新聞

 森の火事を小さなハチドリが消そうとする物語「ハチドリのひとしずく」の話から、「自分でもできること」を考えようと、東京都府中市がみんなの「ひとしずく」を募っている。1月末から市内の小、中学校を含めて呼びかけたところ、これまでに2200余通が寄せられた。3月3日に市内で開く「府中NPO・ボランティアまつり」で紹介し、最終的には1冊の本にして残す考えだ。まつりの当日は、物語を日本に紹介した明治学院大教授、辻信一さんと語る会が開かれる。 (石川幸夫)

 「ハチドリのひとしずく」は、南米の先住民族に伝わる民話。森が燃え、みんなが逃げる中で1羽のハチドリだけが、くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落とす。「そんなことをしていったい何になるんだ」という動物たちにハチドリは答える。「私は、私にできることをしているだけ」

 「府中NPO・ボランティアまつり」は今年で4回目。今年の企画を考える際、実行委員会の委員から辻さんを招くことが提案された。物語の内容を知り、「小さなことからでも、ひとりからでも始めよう、という気持ちは活動するみんなの思いと共通する」と、企画を決めた。同時に市民から、それぞれの「ひとしずく」を募ることにした。

 市内の小、中学校の中には、授業で取り上げた学校もあった。

 これまでに届いた「ひとしずく」は、「いじめに遭った友達がいたらそばにいて話を聞いてあげる」「近くのおじいさんが寂しそうにしていたのであいさつしたら、笑顔になった」「道のごみぐらい自分でも拾える」など。

 まつりは、3日午前10時から午後4時まで。京王線府中駅北口の府中グリーンプラザと同駅北口前広場。辻さんの講演会は、午前11時から同プラザ2階のけやきホール。入場無料。応募は所定の用紙かメール(hachidori@city.fuchu.tokyo.jp)で3日まで。会場でも受け付ける。

 問い合わせは府中市市民活動支援課(042・335・4035)へ。

http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000702270001