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2007年02月27日(火) 03時07分

「ヨド物置」閉じ込め7件、11万台販売も公表せず読売新聞

 東証1部上場の鋼材メーカー「淀川製鋼所」(本社・大阪市)が2002年7月から05年5月まで販売した「ヨド物置」で、子供や高齢者らが閉じ込められるトラブルが7件発生していたことが、わかった。

 けが人は出ていないが、閉じ込めの危険性のある製品はすでに約11万台販売されている。昨年以降に販売した「ヨド倉庫」の一部で、設計ミスによる強度不足があったことも判明。同社はいずれも内部検査などで問題を把握、製品の仕様を変更するなどしたが、公表や自主回収は行っていない。

 同社によると、閉じ込めがあったのは、02年7月発売の「ヨド物置エルモ」と、04年4月発売の「ヨド蔵(くら)MD」。扉の取っ手に、閉じると簡易ロックがかかる「ラッチ機構」が付き、室内にはラッチ解除ボタンも備えていたが、04年8月以降、長野、静岡、滋賀各県で、解除ボタンを知らない子供や高齢者らが閉じ込められるトラブルが6件発生。

 同社は05年5月以降の販売製品から、ラッチ機構そのものをなくす仕様変更を行ったが、06年8月、愛知県内で、変更前の物置に7歳の女児が閉じ込められるトラブルが発生。このため、自社のホームページに、変更前の物置を購入した顧客向けに「ラッチの室内からの解除の仕方」を掲載したが、これまでのトラブルを公表したり、危険性を告知したりしなかった。

 一方、強度不足だったのは、昨年2〜4月に販売した「ヨド倉庫」(品番SOB3057)。建築基準法に基づき、台風を想定した「風速34メートル」に耐える構造でなければならないが、06年2月にモデルチェンジした際、担当者が強度計算を誤ったため部品の鋼材の太さが足りず、強度が最低で基準の半分以下になった。同社は4月にミスに気付いたが、すでに17棟を販売。営業所から顧客に連絡し、9棟で部品交換したが、8棟は交換されず強度不足のままで、営業所が顧客に知らせず放置しているケースもあるという。

 淀川製鋼所は1935年創業。カラー鋼板生産量は全国トップ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070227i201.htm