記事登録
2007年02月26日(月) 10時00分

不二家保有株売却でサーティワン争奪戦か?日刊ゲンダイ

 にわかに注目を集めている。「サーティワンアイスクリーム」を全国810店舗展開する「ビー・アール サーティワン アイスクリーム」(ジャスダック上場)だ。
 というのは、サーティワンの筆頭株主は不祥事でガタガタの不二家。サーティワン株の43.38%を保有し、サーティワンに役員を送り込んでいたのだが、3月29日付で全員引き揚げることになった。そこでサーティワン株の売却が現実味を帯びてきたわけだ。
「不二家は資金繰りのために銀座本社の土地建物売却を検討しているほど。そこに手をつける前に、サーティワン株を売るのが先でしょう。時価で計算すると、全株放出でキャッシュが約108億円転がり込む計算です」(証券関係者)
 サーティワンの業績は好調だ。2006年12月期決算は売上高が前期比22.1%増の約130億円、経常利益は同32.9%増の約20億円。今期も増収増益の見通しで、ブランド力もある。
「買収ファンドも外資食品メーカーも興味を示している」「食品業界トップの明治乳業が動く」——金融関係者の間では情報が飛び交っている。すわ、サーティワン争奪戦かという雰囲気だが、横ヤリを入れそうなのが不二家支援に乗り出した山崎製パン。
「山パンが不二家を手放さない限りスキがなく、外野から手の出しようがない。山パンはペコちゃんとサーティワンを欲しかっただけ。ゆっくりと不二家を査定して買い叩き、いずれサーティワンを傘下に収めますよ。資金面の話すら詰めずに助けを求めた不二家が甘過ぎた」(外資証券関係者)
 一方、山パン主導で再建中の不二家はのんきそのもの。
「一連の問題を受けて、07年度は(サーティワンから)役員を引き揚げますが、“1年間”という期限付き。サーティワンは席を空けて(役員派遣を)待ってくれている」(不二家関係者)
 だが、その空席に乗り込むのは、不二家ではなく山パン関係者ということになりそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070226-00000012-gen-ent