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2007年02月26日(月) 10時00分

会社帰りに寄る落語日刊ゲンダイ

 ここ数年、テレビドラマや映画で落語が取り上げられた影響か、寄席に足を運ぶ客が増えている。東京には新宿末広亭、鈴本演芸場(上野)、浅草演芸ホール、池袋演芸場の4つ、大阪には天満天神繁昌亭がある。いずれもターミナル駅の近くで、仕事の帰りに一席、聞いてみたい。早速、新宿3丁目の新宿末広亭を訪ねた——。

●昼の部と夜の部の2部構成
 ここは50年前の建物がそのまま残り、寄席の雰囲気をたっぷり楽しめる。入り口にはのぼりが立ち、独特の寄席文字で出演者の名前が大きく張り出されていた。
 席数は300席ちょい。イス席が中心だが、左右には桟敷席があり、座って聞くことができる。老人、中年夫婦に交じってネクタイ姿の客もいた。
「最近は平日の昼の部の開演と同時に、お客さんが入ってくるようになりました。どこの寄席も入場者数が上向きですよ」(席亭の北村幾夫氏)
 末広亭は昼の部(正午から午後4時30分)と夜の部(午後5時から9時)に分かれ、落語の合間に色物と呼ばれる漫才、奇術、曲芸などの出し物がある。寄席落語は1人約15分。噺家(はなしか)は客を見て、その日のネタを決める。ちなみに、昼の部、夜の部それぞれ毎日15人を超える噺家が登場する。

●3時間ライブを楽しんで木戸銭2700円
「人生に効く!話芸のきまり文句」の著者で、落語に詳しい松井高志さんが言う。
「落語は歴史のある伝統芸能ですが、木戸銭を払って気軽に楽しむ大衆演芸。初めて聞く人は寄席に数日通って感性が合う噺家を探すといい。有名落語家でなくとも面白い話をする人がたくさんいますよ」
 寄席に歌舞伎のような窮屈さはない。自分が好きな場所に座り、面白ければ笑えばいい。2時間ほどで7〜8人は聞ける。最前列なら、噺家の息遣いも分かる。ライブ感満点なのだ。
 末広亭の入場料は2700円。映画に比べてやや高い気もするが、3時間たっぷり楽しめるのだから、むしろ安い。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070226-00000005-gen-ent