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2007年02月26日(月) 00時00分

半鐘、取り外しの動き 朝日新聞

  火の見やぐらに取り付けられた「半鐘」が、北関東を中心に相次いで盗まれている。高値で取引されている金属を狙った犯行のようだ。県内では被害の報告はまだないが、「消防団のシンボル」を守るため、取り外す動きも出ている。

  大和市下鶴間の火の見やぐらでこのほど、同市消防本部のレスキュー隊員が青銅製の半鐘を取り外した。高さ46センチ、重さは約10キロ。81年まで地元消防団の分団長だった佐藤忠良さん(68)は「地域のシンボル。外さなければならないのは残念」と嘆いた。

  藤沢市でも、江の島1丁目の消防団第1分団の詰め所の表につり下げられていた半鐘が外された。分団長によると、盗難防止用に鍵も取り付けていたが、市消防本部から連絡を受けて屋内にしまったという。

  横浜市や厚木市では、消防団などに盗難注意の通知が出された。川崎市でも、火の見やぐらに取り付けられた5個を含め、消防団が計33個の半鐘を持っていることを確認したうえで、注意を呼びかけたという。

  半鐘は火災などの災害時、注意を促したり、消防団員を招集したりするために鳴らされた。しかし、サイレンや防災無線がその役目を果たし、最近では出初め式で飾られるなど消防団のシンボル的存在になっている。

  青銅製の半鐘の価格は、20キロの大きさで約20万円、50キロの大型だと40万円する。一方、金属回収業者によると、青銅1キロ当たりの買い取り額は1500〜2千円だ。

  横浜市安全管理局の担当者は「消防車両の盗難防止を呼びかける通知は以前にも出したことがあるが、半鐘については初めて。ショッキングな話だ」と話していた。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000702260003