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2007年02月26日(月) 23時12分

手続き怠り年金未払い、最大239万円 社会保険事務局朝日新聞

 東京社会保険事務局は26日、夫の遺族年金と自分の厚生年金のどちらを受け取るかについて、受給者の女性9人から管内の七つの社会保険事務所に提出されていた書類の手続きを最長で12年間怠り、うち5人が実際に受けとった年金額が本来の額よりも累積で33万〜239万円少なくなっていたことを明らかにした。社会保険庁の調べでは、複数の年金の受給権がありながら選択の処理がなされていないケースが全国で930件ある。これらには同様のミスが起きている恐れがあり、各都道府県の社会保険事務局が調査を進めている。

 現行制度では、夫を亡くして遺族年金を受給していた人が厚生年金を受け取れる年齢に達するなどして両方の年金の受給権ができた場合、どちらかの年金を選択することを求められる。

 9人の女性は95年から03年にかけ、東京都内の社会保険事務所に、高額な方の年金を選択することを申し出る書類を提出していた。しかし、事務所側が書類を放置し、年金の支払いを担当する社会保険業務センターに伝えなかったため、9人は受け取る年金の種類は変更されなかった。

 4人はすでに受けていた年金額の方が多かったために実害はなかったが、5人は本来受け取れる額より少ない額しか受け取っていなかった。板橋社会保険事務所に00年5月に届け出た女性は、今年2月までの未払い額が239万円に達していた。5人分の合計は568万円。

 東京社会保険事務局は9人に謝罪するとともに、5人には足りない分の年金額を近く支払う。今年4月には制度が改められ、本人からの届け出は不要となる。

http://www.asahi.com/life/update/0226/009.html