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2007年02月25日(日) 16時47分

「鶴雄じぃ、勝ったど」 故山中さんに報告朝日新聞

 03年の県議選を巡る公職選挙法違反事件で、無罪判決を受けた被告とその支援者らが24日、判決を聞くことなく05年に亡くなった元被告・山中鶴雄さんの墓前に裁判の結果を報告した。事件の舞台となった志布志市志布志町四浦地区にある墓には遺影が置かれ、30人ほどが花と線香を供えた。
 「鶴おじ、裁判に勝ったど!」。前日に無罪判決を受けた藤山忠さん(58)は、手を合わせながら声を張り上げた。「(山中さんが)無罪を一番喜んでくれていると思う」
 山中さんは選挙目的の現金を受け取ったとして03年5月に逮捕された。公判が続いていた05年5月、無実を訴えながら、77歳で亡くなった。
 事件の中心人物とされた中山信一さん(61)も、「迷惑をかけました」と手を合わせた。「変な疑いを持たれるとよくないと思い、山中さんの葬式にも行くことができなかった。無罪が出て、ようやく四浦に来ることができた」と感慨深げに語り、「『12名はいずれも無罪』という裁判長の言葉が今も耳に残っている」と話した。
 この日は、宮崎県串間市に住む山中さんの妹、木村サツキさん(73)も駆けつけた。「ラジオで無罪を知ったときは躍るくらいうれしかった」と笑顔。それでも、「兄をずっと信じてきた。ようやくいい報告ができたが、やっぱり生きて無罪判決を聞いてほしかった」と目を伏せた。

http://mytown.asahi.com/kagoshima/news.php?k_id=47000000702250001