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2007年02月25日(日) 12時56分

「死を学ぶ」授業、全学生対象に 千葉大がホスピス講座朝日新聞

 千葉大は新年度から、がんなどの痛みを和らげる「緩和ケア」や生と死について学ぶホスピス講座を開講する。教養課程の科目の一つとし、医学部や看護学部だけでなく全学部の学生が対象で、こうした取り組みは全国でも珍しいという。

 科目名は「いのちを考える〜医療の原点を見つめて〜」。07年度後期に開講し、全15回。480人まで受け入れ、リポート提出などで単位認定する。日本財団(東京都港区)の寄付講座。

 講師には、日野原重明さんらホスピスにかかわる医師のほか、宗教学者の山折哲雄さん、「死への準備教育」で知られるアルフォンス・デーケンさんらを招く。

 ホスピスケアの普及に取り組む同財団によると、がん末期などの患者の体と心の痛みを和らげるケアについて、治療を受ける側を含めて医療現場での理解はまだ十分でない。学生のうちから学ぶ機会をつくろうと財団が開講を持ちかけた。

 同大看護学部の眞嶋朋子教授(成人看護)は「若い人は死について教わったり、語ったりする機会が少ない。死にゆく人を想像し、生きるとは何か考え、視野を広げてほしい。法律や工学などの分野でも生かせる」と期待する。

http://www.asahi.com/life/update/0225/004.html