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2007年02月25日(日) 10時00分

基準に抵触? 新刊本の広告をハジいた日経の言い分日刊ゲンダイ

「広告の掲載が見送られたという話を聞いて不思議に思っていたところでした」
 こう首をかしげるのは日経OBのジャーナリスト大塚将司氏(56)。大塚氏は今月16日(金)に東洋経済新報社から「新聞の時代錯誤」を出版。その広告が19日(月)の日経新聞朝刊に掲載される予定だった。ところが——。
「金曜日(16日)の夕方になって突然、日経から“大塚氏の新刊広告は掲載拒否”という連絡があり、大慌てで別の書籍に差し替えたのです。うちは毎週月曜日に日経に新聞広告を掲載してきた。今回も木曜日(15日)に校正済みのゲラが上がっていたのですが……」(東洋経済関係者)
 大塚氏といえば、03年に発覚した日経子会社の巨額不正経理事件で当時の鶴田卓彦社長の経営責任を厳しく追及した人物。エース記者の“反乱”は業界内で話題になった。日経とは因縁浅からぬ関係であるのは間違いない。だが、今回の新刊は日本の新聞の歴史を丹念にたどり、新聞業界が抱える問題点を浮き彫りにした、いわば学術書。広告拒否が意趣返しとすれば、ちょっとおとなげない。
 日経新聞は「広告掲載拒否ではなく保留。本書の内容が当社の広告掲載基準に抵触する恐れがあったためで、タイトルや著者名で判断したわけではない」(経営企画部)というが、大塚氏はカンカンだ。
「新聞社が掲載を拒否するのは自社名が出ていて、それが名誉に関わる場合のみというのが通例です。タイトルや広告コピーにも個別の社名がでてこないのに拒否するとは前代未聞。内容が広告基準に抵触するというが、それなら日経は広告掲載する書籍の中身をすべてチェックしているというのでしょうか。まったく理解できません」(大塚氏)
 果たして「保留」が解かれて結論が出ることなのだろうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070225-00000009-gen-ent