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2007年02月25日(日) 10時00分

黒川紀章VS。石原慎太郎「因縁バトル」日刊ゲンダイ

 建築家の黒川紀章氏(72)が今年4月の東京都知事選に無所属で立候補することを明らかにした。黒川氏は自身のHP上で「1期のみ」「無給。官舎、公用車は使用せず」「東京五輪中止」など15の公約を提示。「どの政党からの推薦も受ける」としている。黒川氏は世界的に有名な建築家で、都庁舎の設計を手掛けた故丹下健三氏の門下生。妻は女優の若尾文子(73)。
 だが、3選を狙う石原慎太郎都知事(74)も「寝耳に水」という黒川氏の突然の立候補表明は、さまざまな憶測を呼んでいる。
 石原都知事と黒川氏は2016年の東京五輪招致を巡って、対立した経緯がある。石原都知事は建築家の安藤忠雄氏を起用して東京・晴海をメーン会場とする方針を発表。一方、黒川氏は代々木公園をメーン会場にする神宮周辺再開発構想を発表していた。
 21日、都内で取材に応じた黒川氏は石原都知事とは「現在でも最も近い友人のひとり」としながらも、「傲慢な態度ではなく、都民の声に耳を傾ける。(石原氏の)四男の問題や側近政治は問題がある」とコメント。石原都政への不満をアピールした。
 もっとも、結果的に黒川氏の立候補は「石原3選に強力な追い風になる」(都政関係者)という見方もある。
 いまだに候補者が擁立できない民主党は都議会では東京五輪招致に賛成の立場。五輪中止を公約に掲げる黒川氏を担ぐわけにもいかず、別の候補を立てても石原都政を批判する黒川氏とで票の“食い合い”が予想されるからだ。黒川氏は美濃部都政3期目に石原が対立候補で挑戦した時(75年)はブレーンだった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070225-00000011-gen-ent