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2007年02月25日(日) 08時49分

県警調査理由に沈黙  巡査ウィニー使用認める読売新聞

 「詳細を確認中なので対応できない」——。甲府署勤務の20歳代の男性巡査の私物パソコンから、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じて500人以上の犯罪被害者らの個人情報を含む捜査資料がインターネット上に流出していた問題で、県警は24日、取材に対して沈黙を貫き通した。問題を把握してから1日以上たった同日夕になっても、具体的な内容を明らかにしていない上に、身内からの流出自体も認めない県警の姿勢に、県民からは不安の声が噴出している。

 県警は23日午前10時半ごろ、警察庁からの指摘で問題を把握。流出していた資料を入手し、警務部情報管理課を中心に約30人態勢で手元の捜査書類と照合を進める一方、資料に名前が載っていた男性巡査から事情を聴くなどした。巡査はこの時点で、資料が自身の物であることを認め、自宅のパソコンでウィニーを使っていたことも認めた。

 県警が報道陣からの要請で初めて取材に応じたのは同日午後9時半ごろ。だが、「調査中」を繰り返し、流出していた資料について、その時点で把握している件数や内容を明らかにしなかった。記者サイドからは「県民の不安を解消するために判明した分だけでも明らかにすべきではないか」という質問が飛んだが、県警は県警の資料ではない可能性すら示唆した。

 流出した資料には、婦女暴行事件の被害者の名前や住所も掲載されている。ネット上にいったん流出したファイルは瞬時に広がり、完全に回収するのは事実上不可能とされるばかりか、悪用され、新たな犯罪を招く可能性もある。だが、県警は23日夜の時点で、資料に掲載された個人への連絡もとっていないといい、24日になっても、「調査中」を理由に一切の取材を拒否した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news001.htm