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2007年02月24日(土) 18時45分

日興、前経営陣に30億円賠償請求へ 責任追及委方針朝日新聞

 日興コーディアルグループの不正決算問題で、同グループの責任追及委員会(委員長・桑島正治社長)は24日、有村純一前グループ社長ら前経営陣の3人に対し、会社法(旧商法)が定める役員の善管注意義務違反に基づいて、総額30億円の損害賠償請求訴訟を起こす方針を固めた。昨年12月の不正決算発覚でグループの業績に大きな損害が出たため、多額の請求に踏み切ることにした。前経営陣との決別姿勢を示す狙いもある。

 提訴の対象は、日興の特別調査委員会から「重大な経営上の責任がある」と指摘された同グループの有村前社長のほか、不正決算に関与した山本元・前グループ財務部門執行役常務、不正の舞台になった子会社、日興プリンシパル・インベストメンツの平野博文元社長。損害額は、決算訂正のための監査費用や特別調査委の調査費用も含めて算定した。2月末に提出する05年と06年の3月期決算などの訂正報告書の発表に合わせ、提訴内容を正式に発表する。

 責任追及委は会社法の特別背任などでの刑事告発も検討したが、現状では証拠が不十分なために見送る。旧経営陣に対する巨額な損害賠償請求訴訟では、経営破綻(はたん)した足利銀行が旧経営陣に対し、総額46億円の損害賠償を求めた例などがある。

http://www.asahi.com/business/update/0224/024.html