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2007年02月24日(土) 10時00分

小沢事務所費問題公表で「さあどうする疑惑の閣僚たち」日刊ゲンダイ

 ボロボロ出てきた安倍自民党の幹部や閣僚の事務所費問題。自民党は「小沢一郎らもやっているから、政治とカネの追及は不発」とタカをくくっていたが、20日、小沢が領収書付きで事務所経費の詳細を公開した。今度は閣僚や与党幹部が明らかにする番だが、説明できなければ安倍の支持率がまた下がることになる。

 問題になっていた小沢の事務所費は2003年から05年までの約4億1500万円。このうち東京・世田谷に秘書宿舎建設の費用として約3億7000万円(土地代約3億4000万円、建物費約2500万円)を計上している。契約書の名義は資金管理団体「陸山会」ではなく、小沢一郎となっている。自民党は現場視察までして、これを「小沢の資産隠しだ。資金管理団体の事務所費に付け替えているのではないか」と疑惑視しているのだ。
 小沢は会見でこう説明した。
「政治団体は権利能力のない社団であり、登記実務上、不動産の購入はできるが登記はできない。だから、個人所有にしている」「私個人が不動産に関する何の権利も持っていないことを明記した確認書を付けている」「私が政界引退した時には資産は後進の人への支援、日米・日中の草の根交流基金に充てたい」
 さらに3年分の領収書もマスコミに公表し、「責任ある政治家はすべてを詳細に公表すべきだ」と与党を牽制したのである。
 こうなると一挙にピンチなのが安倍政権だ。事務所費疑惑を抱える伊吹文明文科相と松岡利勝農水相は、国会で指摘されるとマトモに答えず、「私的な経費を政治資金として報告することはあり得ない」(伊吹)、「正直に報告している」(松岡)と言うだけ。政治団体事務所の所在地が雀荘になっている久間防衛相もきちんと説明しなければならなくなった。
「小沢も同じ穴のムジナ、と安心していた安倍官邸は大慌てです。民主党は国会で伊吹や松岡に『疑惑がないなら領収書付きで公表しろ』と迫るはずで、これで説明できなければ、昨年、この問題で辞任した佐田玄一郎大臣と同じケースに追い込まれかねないのです」(事情通)
 安倍内閣はまたひとつピンチが増えた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070224-00000011-gen-ent