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2007年02月24日(土) 00時51分

MP3特許訴訟、Microsoftに15億ドルの支払いを命じる陪審判断MYCOMジャーナル

南カリフォルニア州の連邦地方裁判所で2月22日(米国時間)、MicrosoftがAlcatel-Lucentが持つMP3のエンコーディング/デコーディング特許を侵害したとして、約15億2000万ドルの損害賠償支払いを命じる陪審判断が下された。Microsoftは正当な手続きを経て独Fraunhofer Institute for Integrated Circuits IISからMP3のライセンスを受けていると主張しており、今回の判断によりAlcatel-Lucentが他の企業にも訴訟を拡大させる可能性も指摘されている。

今回の訴訟は、2003年にLucent Technologies(2006年にAlcatelとLucentが合併)がDellとGatewayを15の特許侵害で訴えたのを発端とする。Windowsに組み込まれた技術が対象となっていたためMicrosoftが反訴。これを受けてLucentもMicrosoftを訴えた。最終的には13の特許侵害に関する6件の訴訟に整理され、今回が最初の陪審判断となった。

MP3の開発は、1989年からFraunhoferの研究者を中心にAT&TのBell Labsの協力を得て進められた。後にAT&T分割でLucentがスピンオフした際にBell LabsがLucent傘下となった。今回の判断に対してMicrosoftの法律顧問代理のTom Burt氏は「他の多くの企業と同様に、われわれは業界がライセンサーと認めるFraunhoferから正当な手続きを経てライセンスを受けている。この技術をライセンスするためにFraunhoferに支払った額が1600万ドルであることを考えると、今回の損害賠償額は常軌を逸している」とコメントしている。さらに「今回の判断によって、FraunhoferからMP3技術のライセンスを受けている多くの企業に対して、Alcatel-Lucentが訴訟を起こすのではないかと懸念している」と付け加えている。同氏によると、Microsoftは判事に対して今回の陪審判断の棄却を求めるほか、必要ならば控訴するという。

(Junya Suzuki)

Microsoft
http://www.microsoft.com/

Alcatel-Lucent
http://www.alcatel-lucent.com/

[MYCOMジャーナル]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070224-00000091-myc-sci