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2007年02月24日(土) 03時03分

情報番組の指針、民放連が3月中に策定へ読売新聞

 フジテレビ系の「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題を受け、日本民間放送連盟(民放連、会長=広瀬道貞・テレビ朝日会長)は、健康情報番組などを制作する際の留意点をまとめ、3月中に指針として策定することを決めた。

 民放連では既に、自主的に定めた「放送基準」の中で、「医療や薬品の知識および健康情報に関しては、いたずらに不安・焦燥・恐怖・楽観などを与えないように注意する」と規定している。

 しかし、学説や実験データを使用する健康情報番組などでは、演出や表現方法によって、視聴者に誤解を与えかねない情報を提供するケースがあることを重視。こうした番組を制作する際の取り決めを、新たに設けることにした。

 指針には、「統計学から外れた実験を、さも正しい実証実験であるかのように表現することは避ける」「専門知識のある番組全体の監修者を置く」などの項目が盛り込まれる見通し。民放連では、これを基に各局に、より具体的なルール作りを求めていく。

 一方で、下請けの制作会社の中には「ルールをあまり厳格にしすぎると、番組が作れなくなる」と反発する声もある。今回の捏造問題を巡っては、あらかじめ想定した結論に学者の解説などを都合良くつなげる手法にも批判が出ているが、制作現場では、こうした手法を当然視するスタッフも少なくないという。

 そこで、民放連と全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)では、来月から「放送倫理セミナー」を開催。過去の捏造事例などに即しながら、制作会社のディレクターらの再教育に乗り出す。

 民放連番組部の三好晴海部長は「視聴率競争の中で、面白ければいいとの邪念が制作者に生まれている」と指摘。情報番組が過剰演出でバラエティー化していることを踏まえた上で、「バラエティーなら何をしても許されるというものではない」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070224ih01.htm