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2007年02月24日(土) 14時54分

サケ元気に戻ってこい 来月、稚魚を放流朝日新聞

 サケが戻る、きれいな川にする運動として、高崎市などで約20年前から続けられてきた「サケの稚魚放流」が実を結びつつある。昨年は、藤岡市内でサケの遡上(そ・じょう)と産卵が確認され、高崎市内でも遡上が報告された。さらに推進しようと3月2日に藤岡市内で、同3日には高崎市内でそれぞれ、サケの稚魚を放流する。

 遡上と産卵の両方が確認されたのは、藤岡市上落合の鏑川と鮎川の合流点付近だ。昨年12月初め、「南限のサケを育む会」のメンバーが、利根川の下流から上流に向けて調査を進める中で、見つかったという。

 この付近のサケの遡上は15年ぶりで、こぶし大の石が並ぶ川底には、卵も産み付けられていた。この「産卵床」は2カ所見つかり、さらに下流でも数カ所見つかった。

 このため、川を管理する国土交通省高崎河川国道事務所は、産卵床を保護するとともに、1月には産卵床から発眼卵を採取し、地域の高校や小学校、幼稚園などに稚魚を育
ててもらい、今春に放流を計画していた。

 ところが、昨年暮れの大水で産卵床が流失してしまった。今回は、県水産試験場から稚魚約300匹を提供してもらい、各学校などで育ててもらった。放流は2日午前10時半から産卵場所付近で行い、「さけの一生」と題した学習会も開く。

 高崎市でも遡上が確認された。昨年12月、烏川の和田橋のそばで泳いでいるのが報告され、死んだサケも見つかった。

 放流は3日午前10時過ぎから、和田橋下の河川敷で行われる。高崎青年会議所を中心に高崎河川国道事務所、県水産試験場、上州漁協や市などでつくる「ぼくらのサケを育てる会」が主催する。88年に始められ、20回目の今回は、6万粒の発眼卵を市内の小中学校の子どもらに無料配布し、育った稚魚を一斉放流する。

http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000702240003