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2007年02月24日(土) 00時00分

「賃金不払い」最多の1973件 県内6労基署、昨年の相談 中日新聞

 三重労働局は、県内6カ所にある労働基準監督署の昨年1年間の相談の概要をまとめた。相談件数は9447件で、1999年の統計開始以来最多。製造業を中心とした好況の陰で、ひずみを外国人ら派遣労働者やトラック運転手が被っている現状が浮き彫りになった。

 相談総数は前年より八百八十五件の増加。業種別では、製造業が千百四十二件と最多だが、前年比では十六件の微増だった。

 一方で、派遣業は二百二十九件増えて千四十八件、運輸業も百六十件多い六百七十五件となり、増加ぶりが目立った。外国人労働者からの相談は八百十八件で、六十二件増えた。

 相談内容は、賃金不払いが千九百七十三件と最も多く、二百十九件の大幅増。年次有給休暇も百八十一件増えて千九十件に。解雇は十七件増の千三百五十二件だった。

 トラック運転手からは賃金不払い、派遣の外国人労働者からは年次有給休暇の未消化の相談が目立つという。

 同局監督課は「トラック運送事業者は免許制から許可制へ移行したことで小規模業者が乱立し、下請けへいくほど安価で請け負っている」とし「派遣業は派遣先との関係で労働者が懸命に働かざるを得ない」と分析している。

 賃金不払いや解雇などを受けた労働者が、事業場に改善を求める「申告」は二十九件増の六百二十八件。外国人労働者からは四件減って百十四件となったが、賃金が安い外国人ら技能実習生からは前年はゼロだったのが八件あった。こうした実習生は金属製品製造業に多いという。

 (沢田敦)


http://www.chunichi.co.jp/00/mie/20070224/lcl_____mie_____000.shtml