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2007年02月24日(土) 00時00分

厚木市長選違反 連座制はない見通し朝日新聞

  厚木市長選で初当選した小林常良氏(57)派の選挙違反事件で、横浜区検は23日までに、小沢金男・元神奈川県議会議長(78)=厚木市三田=ら8人を公職選挙法違反(供応買収、受供応など)の罪で略式起訴し、横浜簡裁は全員に罰金50万〜20万円、公民権停止(5年か3年)の略式命令を出した。8人とも罰金を納めた。

  この事件では、小沢元議長が小林氏陣営の選対総本部長の立場にあったことなどから、刑罰の内容によっては小林氏の当選が無効となる連座制が適用されるかどうか注目されていた。しかし、全員が罰金刑となったことで適用されない見通しとなった。

  起訴状によると、小沢元議長ら3人が共謀し、昨年12月25日、厚木市内の旅館で、有権者ら6人に小林氏への票の取りまとめなどを依頼、報酬として1人当たり約2万円相当の酒食を接待したとされた。小林氏も同席していた。接待を受けた側とされる1人は、所在不明になっているという。

  ■抗議活動に備え厳戒の中初登庁 小林市長

  厚木市長選で初当選した小林常良氏が23日、初登庁した。選挙違反事件の影響で初登庁の際に抗議活動が行われるという情報が事前に流れたため、多数の警察官が警戒する物々しい雰囲気の中での船出となった。

  午前8時半、小林市長が公用車に乗って市役所玄関前に現れると、支援者、市職員ら約300人が拍手で迎えた。支援者や職員から贈られた花束を手に「頑張ってきます」と語った。登庁時の抗議行動はなかった。

  職員や、正副議長へのあいさつを済ませ、記者会見に臨んだ小林市長は、事件の舞台となった宴席に自分も同席したことについて、「今思えば軽率な行動だった。全身全霊を傾けて市政運営に取り組むことが市民の付託に応える唯一の道」などと話した。

  その後、小林市長を選挙で応援した小沢金男・元県議会議長らが罰金と公民権停止の略式命令を受けたことを知り、「支援者が罰金刑を受けたことは、誠に遺憾であり、市民の皆様に深くおわび申し上げます」などとするコメントを出した。

  市議28人のうち、選挙で小林市長を応援したのは6人。ベテラン市議は「難しさは当然ある。(円滑な市政運営には)時間はかかるだろう」と話した。3月2日に開会する定例会が、小林市長の最初の関門となりそうだ。

  厚木市ではこの日、07年度一般会計など総額約1221億820万円の当初予算案が発表された。人件費などが中心の「骨格予算」で、6月定例会に提出する補正予算案で「小林色」を出す。小林市長は新しい政策について、「具体的にはこれから」などと語り、詳しい説明はなかった。

(須田世紀)

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000702240002