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2007年02月24日(土) 00時00分

しんちゃん 故郷の海へ朝日新聞

◇水田で保護されたオットセイ 来月5日千葉・鴨川でリハビリ終え旅立ち

 昨年9月、川越市の水田に迷い込んでいるところを保護されたオットセイが、3月5日に外洋へ放されることになった。千葉県鴨川市の水族館・鴨川シーワールドで、野生へ戻るためリハビリに励んでいた。同館は放流まで「さよならイベント」を開催し、旅立ちを祝う。川越市民は2日間限定で入館無料となる粋な計らいだ。

 東京湾から川をさかのぼったとみられるオスのキタオットセイで、推定1歳。昨年9月9日夜、同市の新河岸川から用水路を通じて水田へ上陸したところを「御用」となった。東京・上野動物園の動物病院で治療を受けた後、同12月に同館へ移送された。

 プール付きの飼育施設で、生きた魚を捕食するなど野生復帰への訓練を続け、捕獲当時23キロほどだった体重は現在、約46キロに。1日4キロほどアジやイカなどを平らげる。新河岸川にちなんで「しんちゃん」と呼ばれ、同館の人気者になった。

 同館は今月、キタオットセイの群れが銚子沖に回遊して来たのを発見。しんちゃんを帰す好機と判断したという。放流当日は午前10時に銚子マリーナを出航し、沖合15キロの海上で放す計画だ。

 「さよなら、しんちゃん」イベントは3月5日まで。期間中、展示プール横で来館者にメッセージを書いてもらうほか、1〜5日は先着各100人にしんちゃんの写真をプレゼント。川越市民は2月24、25の両日のみ入館無料(健康保険証などの証明書類が必要)。問い合わせは同館(04・7093・4809)へ。

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000702240002