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2007年02月24日(土) 13時44分

電機、08年度新卒採用を拡大 NEC4割増朝日新聞

 大手電機メーカーが08年度の新卒採用枠を拡大させており、ソニー、NEC、三菱電機は2〜4割増やす。景気が回復して大幅に採用を増やした07年度採用をさらに大きく上回る採用数だ。いずれも技術系を中心に人材を確保することで、成長分野の事業の競争力を増す狙いだ。

 ソニーは新卒採用を07年度の420人(大卒のみ)から500人に増やす。01年度以来の高水準で、うち技術系を400人採用する。07年度は前年度から約8割増やしたが、リストラで製造現場での若手不足が進んでおり、さらに採用増に踏み切る。

 大幅に増やすのはNECで、大卒を前年度比38%増の840人(うち技術系770人)とする。三菱電機の新卒採用(高卒・高専卒も含む)は16%増の1000人。中途採用を含めると18%増の1370人となる。

 液晶テレビが好調なシャープも07年度(高卒、中途採用を含め615人)から増やす方向だ。東芝は07年度(高卒、中途採用を含め1570人)の高水準を維持する。日立製作所(高専卒を含め800人、計画数)も07年度の水準を維持する見通し。

 電機業界では、経験豊富な「団塊の世代」が大量退職する「07年問題」で技術力の低下が懸念されている。競争が激しいデジタル家電などでは、高い技術水準を維持しなければならず、採用を絞ってきた各社が計画を見直したとみられる。あるメーカーの採用担当者は「成長を持続させるには若手の柔軟な発想が必要。即戦力より、長期的に育成していくことが重要だ」と話す。

http://www.asahi.com/business/update/0224/022.html