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2007年02月24日(土) 00時00分

心配だ チューリップ祭/暖冬 花 異変朝日新聞

◆本番までに咲き終わる?/発芽1カ月近く早く◆

 例年数万人の観光客が訪れ、斐川町の春の風物詩となっている「斐川チューリップ祭」。晴れ間が広がる天候とは裏腹に、主催者の顔は曇りがちだ。チューリップの芽は例年より1カ月近く早く顔を出し、4月中旬の本番前に「花」が終わっている可能性すらささやかれている。(鈴木康朗)

 「嫌になっちゃうなあ」。今在家農村公園(同町今在家)の土から次々と顔を出すチューリップの緑の芽を前にして、農事組合法人「あかつきファーム今在家」組合長の三代昇さん(63)がため息をつく。

 三代さんは今年18回目を迎える祭りの実行委員長。多くの観光客に色とりどりのチューリップを楽しんでもらおうと、準備に追われている。

 例年、チューリップの芽が出るのは2月末から3月上旬にかけて。だが、今年は今月初めには芽を出すチューリップがちらほら現れた。今のままのペースだと3月に花が開き、4月14〜15日の祭りの期間中には、花が咲き終わっている可能性も出ている。

 祭りは、花の栽培が盛んな斐川を「花のまち」としてPRしようと町観光協会などでつくる実行委員会が主催して開催する。花の生育が遅れた昨年も4月15、16の両日で2万5千人の人出を集めた。
 今シーズンは昨年11月下旬、あかつきファーム今在家の組合員ら十数人が約100種80万個のチューリップの球根を植え付けた。

 その後の思わぬ暖冬に三代さんもやきもき。成長を遅らせる手段としては、日光を遮るシートで覆う案も考えられるが、予算は限られており、実現の見通しは立っていない。

 「昨年は開花が遅れ、今年は逆に早い。天気を相手にするのは本当に難しい」。三代さんは晴れわたる空をうらめしそうに見上げた。

◆斐川公園では梅満開◆

 斐川町直江町の斐川公園で、梅林の梅が例年より1カ月ほど早く満開となり、白やピンクの花が訪れた人たちの目を楽しませている=2枚目写真。

 同公園には約300本の梅が植えてあり、例年は2月中旬から咲き始めるが今年は1月中旬に咲き始め、今ではほとんどが満開になった。公園を訪れた人たちは甘い香りが漂う梅林の中を歩き回り、記念写真を撮るなどして一足早い春を満喫していた。

 友人と2人で訪れた松江市東津田町の会社員山口和正さん(22)は、「満開で見応えがありました。暖かいので外に出たかいがありました」と話した。

 3月上旬まで見頃が続くという。

http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000000702240003