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2007年02月24日(土) 14時59分

覚せい剤密輸小口化、最大4キロ「ショットガン方式」読売新聞

 数百グラム〜数キロずつに小分けした覚せい剤を「運び屋」に渡して日本に持ち込ませる「ショットガン方式」と呼ばれる手口の密輸入が、昨年夏以降、相次いで摘発されていることが、東京税関の調べで分かった。

 昨年5月に北朝鮮から大量の覚せい剤を密輸していたグループが逮捕された影響で、国内では覚せい剤の末端価格が3〜4倍に高騰。同税関では、これに目を付けた密売組織が、摘発のリスクを分散しながら国内への持ち込みを図っているとみて、警戒を強めている。

 同税関によると、昨年12月28日、台北から成田空港に到着した台湾人の無職の男(41)が、覚せい剤約1・9キロが入ったポリ袋を、粘着テープで腹部に巻き付けて持ち込もうとしたとして、覚せい剤取締法違反の現行犯で逮捕された。男は「台湾の知人に100万円で頼まれた」と供述している。

 同空港では、昨年9月20日にも韓国経由で入国しようとしたシンガポール人の会社員の男(34)が、スーツケースに覚せい剤約500グラムを隠していたとして逮捕された。11月17日には、香港発の航空機で到着したシンガポール人のタクシー運転手の男(40)が、やはりポリ袋を腹部に巻き付ける手口で覚せい剤を持ち込もうとして逮捕されている。

 いずれも背後関係は不明だが、同税関では「金に困った人物を報酬で運び屋に仕立て、供給側が次々と送り込んでいる可能性が高い」とみている。同税関が昨年摘発した覚せい剤事件は、上半期の7件に比べ、下半期は44件に急増。計約72キロの押収量は、1回あたり最大約4キロと小口化の傾向にあるという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070224ic02.htm