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2007年02月24日(土) 15時11分

ガス機器死、「誤使用」の7割は換気不足と判断読売新聞

 ガス機器での一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いだ問題で、メーカー側が、利用者の「誤使用」に起因するとした死亡事故の約7割について、換気不足が直接の原因と判断していることがわかった。

 密閉された部屋での長時間使用、小型湯沸かし器から浴槽への給湯、換気扇使用が裏目に出たCOの逆流……。各社の事故報告からは、典型的な事故発生のパターンが浮かび上がる。

 業界団体の日本ガス石油機器工業会(東京都千代田区)に対し、1986年以降にCO中毒による死亡事故があったと報告したメーカー14社に読売新聞が聞いたところ、死亡事故計132件の原因別の内訳は「誤使用」54件、「誤設置」53件、「原因不明・調査中」24件などで、誤使用とされた事故が最も多かった。

 さらに、誤使用の内容を具体的に尋ねたのに対し、「換気不足」と答えた事故が38件に上った。

 2001年1月、リンナイ製小型湯沸かし器を使っていた東京の住宅で、3人の姉妹がCO中毒になり、病院で手当てを受けた。「寒くて、普段使っている換気扇を回していなかった」。姉妹の父親は振り返る。

 松下電器産業も、39件の死亡事故のうち、ユーザーの誤使用によると判断した23件のすべてが換気不足だったとした。

 CO中毒事故の大半は、燃焼部が屋内に設置された機器で起きており、屋外に設置するタイプは比較的安全とされている。だが、例えば物置として使用するために屋外機の周辺を板で覆ったことなどが原因となり、排気が滞って起きた事故もあった。

 「誤設置」については、ノーリツの担当者が「煙突が規定より短く、排気が窓から室内に逆流したケースが多い」と説明する。小沢教授は「ユーザーが正しい使い方を認識していないことは、業界や行政が十分な対策を講じてこなかった裏返しでもある」と指摘している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070224ic03.htm