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2007年02月24日(土) 00時00分

社長、容疑に言及せず ヤマハ発動機朝日新聞

◆部長ら3人逮捕 「捜査中」と繰り返す

 ヤマハ発動機が中国に無人ヘリコプターを不正輸出しようとした事件で、静岡・福岡両県警の合同捜査本部は23日、外国為替法違反(無許可輸出未遂)の容疑で同社のスカイ事業部長で執行役員の内山一雄容疑者(58)と同部社員2人を逮捕した。3人とも容疑を否認。市場拡大が見込まれる中国向け輸出の背後に何があったのか。無人ヘリの日本トップ企業は容疑について口を閉ざしたままだった。

 23日午後、磐田市新貝の本社で記者会見したヤマハ発動機の梶川隆社長は逮捕容疑について、「捜査協力」を理由に、言及を避けるこれまでの姿勢をかたくなに守った。嫌疑についていつ説明するか問われても「捜査中なので申し上げられない」とかわした。

 「彼らの信ずるところをありのままに捜査当局に話してもらえばそれでいいと思う」。梶川社長は部下の3容疑者にそう伝えたいとしたが、全員容疑を否認している。社として3人と同じように否認するということか聞かれると「捜査中で見解のコメントは避けたい」とした。

 ただ、経済産業省から指摘された内部管理態勢の不備が社員逮捕につながったと考えるか聞かれると、「完璧(かん・ぺき)なら嫌疑は出ない。そういうことはあったかもしれない」と述べ、管理態勢の不備にも原因があるとの見方を示した。

 同社の二輪車事業にとって中国の比重は大きい。事件の影響について「出ているとは考えていないが、今後どうなるかはわからない」と話した。また、無人ヘリ事業の今後については「捜査の結果を待って判断したい」と述べるにとどめた。

http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000000702240004