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2007年02月24日(土) 00時00分

診療報酬を不正受給朝日新聞

■保険医療機関指定 2施設取り消しに■医療法人大淀会

 鳥取社会保険事務局は23日、診療報酬の不正受給があったとして、米子市淀江町佐陀の医療法人大淀会(大浜満理事長、職員177人)が経営する米子東病院(95床)と大淀会歯科診療所を保険医療機関の指定から取り消す処分をすると発表した。健康保険を適用した診療ができなくなり、医療費全額が患者負担となるため、事実上医療行為ができなくなる。このため、同事務局は3月15日までに入院患者82人の転院先の確保を大淀会に求めている。

 リハビリ施設や内科などがある米子東病院は3月15日から、大淀会歯科診療所は今月28日から各5年間、保険診療ができなくなる。不正行為にかかわった大浜理事長ら4医師も保険診療をする保険医の登録が28日から5年間取り消される。

 同事務局によると05年9月、リハビリのため米子東病院に入院していた男性から「診療を受けていない大淀会の整形外科から請求書が来た」と相談されたのをきっかけに監査を開始。同事務局が04年4月以降の大淀会すべての診療報酬明細書(レセプト)を調べたところ、正規の診療報酬以外に事務職員がカルテをコピーして別のカルテにはり付けるなどの方法で内科や整形外科で架空の診療記録を作り、患者や、市町村が管轄する国民健康保険などから不正に診療報酬を受け取っていたという。

 調査の結果、同事務局は04年4月以降、患者延べ79人の診療報酬235万円分が不正と認定。大淀会側にはレセプト保存が義務づけられた5年間分の01年10月以降の診療を自主的に調べ、関係者に不正金額を返還するよう求めている。

 同事務局の調査に対し、大浜理事長は「弁明の余地はない」と話したという。

 この日、同病院を訪れた入院患者の家族は戸惑いを見せていた。80代の母親を見舞いに来た同市内の夫婦は「もうすぐ骨折のリハビリを終えて退院できたのに。こういう事態になって残念です」。この日午後には同病院が患者の家族に説明したといい、ある家族は「急なことなので本当に困ります」と話していた。

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