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2007年02月24日(土) 23時37分

PDらが語る大ヒットドラマ「視聴率50%の法則」朝日新聞

 MBCの「朱蒙」(月火午後9時55分)が1月30日に視聴率50.3%(TNSメディアコリア)を記録したことについて、放送各社のドラマPDは「各種メディアが氾濫する2000年代に視聴率が50%を突破するというのは奇蹟」と語りつつ、現場での制作ノウハウを公開してくれた。

 言われてみればもっともな話だが、PDたちは「主演俳優のしっかりとした演技力」「助演演技者らの支え」「緻密なストーリー展開と構成力」などの基本が充実して初めて20〜30%台が保障されると指摘する。しかし40%台に到達するのは難しく、この過程が50%越えの初関門だという。

 まず、40%に達するためには▽独特の素材と社会的イシューを結合したコンテンツの開拓▽俳優ではなく作家中心のキャラクター構築▽複雑な構造と人物などのタブーの排除を挙げた。

 MBCの「私の名前はキム・サムスン」を演出したキム・ユチョルPDは「身近な内容を、独特の視点で再解釈して流行を反映しなければならない」と語った。「私の名前はキム・サムスン」の場合、いかにもというシンデレラストーリーだが、30代の未婚女性の性と生を描いて流行の波に乗った」という。これに「パティシエ」という職業と、ふくよかな「田舎者」風の女主人公の新鮮さがシナジー効果を発揮した。

 SBSのキム・ヨンソプPDは、「2000年代は、特定の題材と社会的イシューが結合し、新鮮な感じを与える作品が人気を集めた」と語った。MBCの「チャングムの誓い」の成功の背景には当時料理と食べ物の流行があったし、「朱蒙」は中国東北部の歴史論議が盛り上がっていたときに放送したのが起爆剤だったという説明だ。SBSの「青春の罠」(1999年、53.1%)を演出したチョン・セホPDは、「脚本家の力」を強調しつつ、「キャラクターを視聴者により早く理解させて没入させる力は、俳優の演技力より脚本家の表現力にかかっている」と語った。

 「50%の法則」を、タブーの排除で説明するPDもいる。MBCの「許浚」と「チャングムの誓い」を演出したイ・ビョンフンPDは、「マニアや特定の年齢層を狙わず、複雑な人間関係や性格づけをなくさなければならない」として「ストーリー展開のために劇的な場面演出を疎かにしてもいけない」と語った。

http://www.asahi.com/culture/korea/TKY200702240196.html