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2007年02月23日(金) 00時00分

愛は強く!花嫁父通報で夫強制退去、取り消す逆転判決ZAKZAK

 不法残留で逮捕された直後に日本人女性と結婚した神奈川県相模原市のナイジェリア人男性(42)が、強制退去処分の取り消しを福岡入国管理局に求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は22日、「強制退去は2人の真摯(しんし)な愛情に基づく結婚の決定的な破壊を意味し、著しく妥当性を欠く」として処分を取り消した。

 昨年1月の一審福岡地裁判決は請求を退けており、男性側の逆転勝訴。

 丸山昌一裁判長は、女性が男性の逮捕後に献身的に面会を重ねた点などを重視。男性が収容された長崎県の入管施設にも週1、2回のペースで片道3—4時間かけて訪れていたことや、仮放免された男性が持病で入院した女性をひんぱんに見舞うなどした点を指摘し「女性にとって原告男性が人生の欠かせない存在であることは疑いがない」と判断。

 「男性が強制退去となり、2人でナイジェリアに行けば、持病のある女性が言葉も文化も全く異なる地で平穏無事な生活をできないのは明らか。処分が2人に著しい不利益をもたらすのは論をまたない」と結論づけた。

 判決によると、男性は2004年10月に共通の知人を介して女性と知り合い交際。05年1月に結婚の許しを得るため訪ねた女性の父親に警察へ通報され、旅券不携帯で現行犯逮捕。不法残留も発覚して執行猶予付き有罪判決を受け確定した。

 福岡入管は「判決の詳細を把握しておらず、コメントは差し控える」としている。

ZAKZAK 2007/02/23

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007022329.html