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2007年02月23日(金) 00時00分

県虚偽報告1万件朝日新聞

 ∞水力発電12施設 無断工事167件

 県企業局は22日、管理する県内12の水力発電施設で過去10年間、国への報告値が1万件以上、実測値と異なっていたと発表した。河川法に基づく申請をせずに、167件の無断工事をしていたことも明らかにした。本間正巳・県企業管理者は記者会見で「法令順守の認識に甘さがあった」と謝罪した。

 ■96〜05年度改ざん・ミス

 昨年12月、東北電力など電力会社数社が、発電用ダムのデータを国に虚偽報告していた問題を受けて、国土交通省が都道府県に対し、1月24日付で点検を指示。虚偽報告が発覚した。

 県企業局によると、96〜05年度までの10年間で、県が国に定期報告した水力発電施設の全データ9万2431件のうち、1万491件が実測値と異なっていた。

 水力発電施設では、発電機の最大出力から必要な水量を逆算して川から取水する。その際、県が河川管理者と交わした最大使用水量を超えることがあった。

 超えた分は自動的にカットし、最大使用水量までしか表示しないよう意図的にプログラムを設定していた。改ざんされたデータは6588件にのぼる。

 改ざん用のプログラムは、古いもので84年4月から使われていた。

 手書きで修正したもの(604件)や転記ミス(1762件)、報告漏れ(1464件)もあった。

 また、12発電所や工業用水道施設、上水道施設で、河川法で定められている申請をせずに、水位計や防護さく、カメラ装置の設置など無断で167件の工事をしていたことも分かった。

 本間企業管理者は、いずれも安全面や河川への影響はないとしながらも、「不適切なデータ修正や法令手続きの不備があった。県民の信頼を損ね、深くおわび申し上げます」と謝罪した。

 県企業局は95年度以前や06年度のデータについても調査を継続する。また、無断工事に関しては、今回の調査対象外だった電線や地中の埋設施設についても調べ、まとまり次第公表する。関係者の処分も検討するとしている。

http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000000702230005