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2007年02月23日(金) 00時00分

仁義なきキンタマ(じんぎなききんたま)読売新聞


絵と文・唐沢なをき

 いきなり下品な言葉でごめんなさい! しかし、ある暴露ウイルスの名前として一番有名な俗称がコレなので、お許しいただきたいですワン。

 登場してから数年経ちますが、ウィニーを通じて広まる暴露ウイルスの勢いは、あまり弱まっていません。出始めのころはデスクトップのスクリーンショット画像をアップする程度でしたが、ファイルをまとめてアップロードするなど次々と新種の暴露ウイルスが登場しました。仁義なきキンタマもそのひとつで、非常にたちが悪いものですワン。

 仁義なきキンタマがウィニーのネットワークに流出させるファイルは、デスクトップの画像に加えて、重要そうなデータをピンポイントで狙っています。まずメールソフトのアウトルックエクスプレスで送受信したメール、表計算ソフトのエクセルとワープロソフトのワードで作成したファイル、インターネットエクスプローラーのクッキーファイル、ウィニーで検索していた語句などなど。ほかにもいろいろありますが、致命的なのはメールとエクセル、ワードのファイルです。これらソフトは利用者がたくさんいるうえ、顧客情報などを扱っていることが多いので狙われるのですワン。画像の流出も恐ろしいですが、これらデータの流出は個人では責任が取りきれない事態をまねきます。

 感染源はウィニーなどで流れている偽装ファイル。拡張子が「exe」のもので、フォルダと同じアイコンになっていたりします。感染者が流出したファイルにもウイルスが入っているので、やじ馬気分でダウンロードして感染してしまった人もいるようです。今のところ、感染していてもウィニーを起動しなければ流出はありません。つまり、ウィニーを使わないことが一番の予防になるのです。ワンワン。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20070223nt10.htm