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2007年02月23日(金) 10時00分

絶対に失敗が許されない反町隆史主演「蒼き狼」の評価日刊ゲンダイ

 製作費30億円の超大作の行方やいかに——。
 3月3日の公開を目前に、角川春樹氏(65)がプロデュースする映画「蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜」の興行を心配する声があがっている。
「蒼き狼」の原作はモンゴルの英雄、チンギス・ハーンの生涯を描く森村誠一氏の小説「地果て海尽きるまで—小説チンギス汗」。主役のハーンを演じるのは反町隆史(33)だ。
「製作は角川春樹事務所と松竹、エイベックスで、合わせて30億円を投じています。春樹氏にとっては“復帰”後の2作目で真価を問われる作品だし、エイベックスにとってはこれが映画業界への本格参入作品。どちらも失敗は許されません」(映画関係者)
 4カ月にわたるモンゴルロケを敢行。春樹の意向でCGは一切使わず、2万7000人のエキストラが集められた。1頭10万円の馬を5000頭も購入し、馬代だけで5億円もかけたという。
「意気込みは伝わってきますが、内容は単にハーンの半生を追っているだけ。盛り上がりも新鮮味も感じられませんでした。スケールの大きな自主映画というか、春樹氏の自己満足のための映画のような印象ですね。『男たちの大和』のように日本人ウケする題材でもないから、興行的には厳しいかもしれません」(映画批評家の前田有一氏)
 春樹氏の前作「男たちの大和/YAMATO」(05年)は51億円の興収を確保した。今回の「蒼き狼」も興収目標は50億円だという。
「スケールが大きくて大金を投じた作品はいくつもあるが、失敗したケースも多いですからね。肝心なのはやはり出演者の演技力。今作は、やたらと絶叫する反町の大げさな演技がまともに見えるのが何とも……」(映画関係者=前出)
 今年一番の大作なのだが……。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070223-00000002-gen-ent