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2007年02月23日(金) 16時43分

地村さん監視にも関与か 蓮池さん拉致指示の容疑者朝日新聞

 北朝鮮による蓮池薫さん(49)夫妻拉致事件で、拉致を指示したとされる工作機関「対外情報調査部対日課」の指導員だった通称「ハン・クムニョン」容疑者=国外移送目的略取容疑などで逮捕状=が、福井県から拉致された地村保志さん(51)にも平壌で接触していたことが23日、新潟県警など警察当局の調べで分かった。警察当局は、ハン容疑者が地村さんに対する主体思想などの「指導」に関与したとみて、詳しい状況を調べている。

 調べでは、地村さんは78年7月7日夜、福井県小浜市から拉致された。北朝鮮・清津に上陸後、同地の招待所に連行された。その後、汽車で平壌の招待所に移送されたが、そこでハン容疑者に会ったという。

 当時、指導員だったハン容疑者は対日課の幹部。警察当局は、対日課が組織的に日本人拉致を実行していたとみており、実際に拉致を指示したとされる蓮池さん夫妻だけでなく、地村さんらの監視や「指導」などにもかかわっていたとみている。

 これまでの調べでは、地村さんが拉致されたのは、蓮池さん夫妻が新潟県柏崎市の海岸から拉致される約3週間前。地村さんは妻の富貴恵さん(51)と一緒に拉致されたが北朝鮮上陸時には離ればなれで、約1年4カ月後に平壌で再会した。

http://www.asahi.com/national/update/0223/TKY200702230308.html