記事登録
2007年02月23日(金) 00時00分

月刊少年ジャンプ休刊…創刊37年も出版不況に勝てずZAKZAK

 「単行本しか売れず、どこの漫画誌も苦戦している。他誌なら40万部近く出れば御の字だが、もとが大きかっただけに全盛期の4分の1は確かに減らしすぎた」

 出版業界関係者は月ジャンの現状を明かす。

 集英社の看板といえば、現在も280万部を誇る日本一の漫画誌「週刊少年ジャンプ」。集英社社員は「首位の座を守るため、優秀な人材はみな週ジャンに集められる。集英社は原則、他社から作家の引き抜きをやらないので、新人がどんどん育たないと週ジャン以外は厳しい」と話す。

 さらに関係者が「致命傷になった」と指摘するのが、アニメや映画にもなった大ヒット漫画「鋼の錬金術師」。91年に創刊した後発誌、スクウェア・エニックス社の「月刊少年ガンガン」で2001年夏から連載されると、3年間で同誌の発行部数を倍増させ、一時は40万部に到達した。

 月刊少年ジャンプ編集部は夕刊フジの取材に対し、「6月発売号での休刊は事実」と認めたうえで、「発展的解消。時代に合った形の新雑誌を今年末に始める予定」と話す。休刊は「今月6日の取締役会で決まった」といい、新雑誌では伝統ある「月刊少年ジャンプ」の看板も下ろす可能性が高いという。

 とはいえ、同誌ではこのところ毎月新しい連載が投入されており、来月6日発売の4月号でも新連載第5弾の作品が始まる予定。前身の「かっとび一斗」から数えて21年目を迎えた長期連載「風飛び一斗」や、4月から日本テレビ系でアニメ化される「CLAYMORE」などの処遇も気になるところだが、「原則として全作品の終了を予定している」(編集部)。

 74年に「週刊少年ジャンプ」の姉妹誌として誕生した月ジャンは、講談社の「月刊少年マガジン」、小学館の「コロコロコミック」とともに少年向け月刊漫画誌をリードしてきた。

 出版科学研究所の統計によると、84年に発行部数100万部の大台を突破し、90年に150万部とピークを迎えたが、以降は漸減が続いてライバル誌に水を開けられていた。2005年にはコロコロが109万部、月マガが100万部を維持したのに対して、40万部と低迷していた。

 これまで同誌に連載された主な作品には、ちばあきお氏の「キャプテン」、百里あきら氏の「ガッツ乱平」、なかいま強氏の「わたるがぴゅん!」、みやすのんき氏の「やるっきゃ騎士」、七三太朗氏・高橋広氏の「イレブン」などがある。 

ZAKZAK 2007/02/23

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007022316.html