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2007年02月22日(木) 14時47分

隣に組員風の男「怖かった」…国会質問封じで糸川議員読売新聞

 「水割りのグラスを差し出す男の小指がなくて怖かった」。東京・南青山の土地取引を巡って国会質問した国民新党の糸川正晃衆院議員(32)が昨年3月、福井市内のスナックで脅迫された事件。糸川議員はその直後、そばにいた秘書にそう漏らしたという。

 暴力行為等処罰法違反(集団的脅迫)の容疑で逮捕された不動産会社「平和奥田」の相談役、山元康幸容疑者(49)と逮捕状が出ている芥川正次・前滋賀県草津市長(48)は地元の暴力団組員も同席させており、警視庁組織犯罪対策4課は、暴力団がどのように関与していたかについても追及している。

 比例北陸信越ブロック選出の糸川議員が、地元・福井市中心部にある繁華街の雑居ビル3階のスナックに呼び出されたのは、昨年3月3日午後10時ごろ。後援会の関係者から「国会議員の秘書が来ているので会っておいたほうがいい」と誘われたからだった。

 糸川議員の地元秘書(41)によると、当時、ビルの前には黒塗りの高級車が何台も止まっており、ボディーガード役とみられる暴力団風の男数人も立っていた。

 糸川議員とこの秘書がスナックに入ると、見るからに暴力団風の男約20人が大声で話しており、後援会関係者から、奥のボックス席へと招かれたという。そこには、滋賀県選出の衆院議員の秘書のほか、地元の建設業者や商工関係者、暴力団組員ら十数人が待っており、糸川議員は、うち数人と名刺を交換した。

 当時、店内は大きな音のカラオケが流れており、離れて座った秘書は「糸川議員が何を話していたのか聞こえなかった。神妙な顔つきでふんふんとうなずいている様子だった」という。

 糸川議員が席を立ったのは約10分後。店から出て一緒に車に乗り込むと、糸川議員は動揺した表情で、南青山の土地取引で国会質問をしたことについて、追及をやめるように圧力を受けたと打ち明け、「隣に暴力団風の男が座っていた。水割りのグラスを差し出す男の小指がなくて怖かった」とも話したという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070222i106.htm