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2007年02月22日(木) 00時00分

原野商法の土地『必ず売れる』 被害者狙い詐欺3人逮捕 東京新聞

 価値のない山林や原野を高値で売りつける「原野商法」の被害者を狙って「(売りつけられた)土地が売れる」などと勧誘し、測量費の名目で金をだまし取るなどしたとして、警視庁大井署などは二十二日、詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで、東京都品川区の不動産会社「地権舎」の元社員田中正春容疑者(62)=大田区西六郷六=ら同社元社員三人を逮捕した。調べに対し三人は「会社の指示だった」「だますつもりはなかった」などと容疑を否認しているという。

 同社による被害者は二〇〇四年六月から〇五年十月までに全国で約五百五十人、被害総額は約二億円に上るとみられる。同社の社長は今月上旬に三回、同署に任意で事情を聴かれ、十四日に自殺した。

 調べでは、田中容疑者らは〇五年十月五日から昨年二月一日までに、原野商法で土地を購入した八王子市の男性(76)ら十人に「あなたの土地を顧客に見せたら『購入するには測量してほしい』と言われた。境界線のくいが腐っていてはっきりしないので、測量すれば必ず売れる」などとうそをつき、計約千三百万円をだまし取った疑い。

 同社は原野商法の被害者名簿を手に入れ、ダイレクトメールで「土地を売るのは今がチャンス」などと勧誘。電話をかけてきた被害者の自宅を訪れ、契約をしていた。

 都取引指導課によると、この会社をめぐっては、〇四年から昨年十月までに計十三件の相談があり、同課が都消費生活条例に基づく改善措置を勧告していた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070222/eve_____sya_____005.shtml