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2007年02月22日(木) 11時28分

松下製品でも48人中毒死 ガス湯沸かし器事故朝日新聞

 パロマ工業やリンナイ製の小型ガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いだ問題で、松下電器産業(大阪府門真市)の製品でも86年以降、死亡事故が27件発生し、48人が死亡していたことが、機器メーカーの業界団体「日本ガス石油機器工業会」の調べで分かった。今月19日に同工業会が公表するまで、松下はこれらの事故をまとめて発表するなどしてこなかった。同社では「真摯(しんし)に受け止めている」とコメントしている。

 同工業会の調査は、相次ぐ事故を受けて経済産業省の指示で、加盟社26社が独自に集計したデータをまとめたもの。それによると、松下製の小型湯沸かし器は、いずれも室内から吸気してCOを含んだ排気を室内に出す「開放式」で、約10機種にのぼる。

 ただし、事故原因としては、「製品に起因」とされたものはなく、「誤使用または施工不良他」「原因不明または調査中」のいずれかに分類されている。92年3月には4人が死亡する事故も起きているが、この事故についても「密閉室内で長時間使用」したことによる「誤使用または施工不良他」に分類されている。

 同工業会の調べによると、CO中毒死者数が最も多かった各メーカーの機種は開放式の小型湯沸かし器で、78人にのぼっている。リンナイは5件で10人、パロマ工業は7件で9人が同式の湯沸かし器の使用中に死亡しており、松下製の死亡事故の多さが目立つ。事故機種の一覧は、同工業会のホームページで発表されている。

 松下電器産業広報グループは「死亡事故が発生したことについては真摯に受け止めています。製品に起因するものではありませんが、使用時に換気するなど、事故防止の啓発活動を進めていきたい」とコメントした。

http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY200702220185.html