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2007年02月22日(木) 11時52分

架空石油投資で40億集める、出資法違反で9か所捜索読売新聞

 「石油事業に投資すれば、高額の配当金を受けられる」などとうたい、違法に出資金を集めたとして、広島県警は22日、熊本市水前寺、石油製品輸入会社「ジャパンエージェンシー」=永野衛社長(61)=など9か所を出資法違反(預かり金の禁止)容疑で捜索した。

 ジ社の銀行口座には1998〜2006年に、全国36都道府県の約1500人から約46億円の入金があり、捜査本部は実態解明を進める。

 調べによると、ジ社は05〜06年、広島県内の男女3人に、インドネシアでの石油採掘や石油取引事業に出資すれば、預かり金に応じて毎月配当があり、退会の際には元本を返還するなどと持ちかけ、金融業の許可を受けず、3人に計350万円を振り込ませた疑い。

 ジ社は全国で投資セミナーを開催。石油事業を行っていた実態はなかったが、インドネシアに実在する石油採掘会社の名前を持ち出し、油田の写真や石油事業のパンフレットを見せ、「産油量によっては100万円当たり、毎月8万円の配当がある」などと出資を募っていたという。

 銀行口座に入金があった約46億円のうち、出資者180人には配当や払い戻しで約3億5000万円を返金していたが、約9億円は永野社長ら役員の海外の個人口座に回されていたという。

 ジ社の捜索は午前9時すぎから始まり、捜査員約15人が段ボール箱を抱えて事務所に入った。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070222i204.htm