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2007年02月22日(木) 03時00分

蓮池さん夫婦拉致指示した疑いで2指導員の逮捕状請求へ朝日新聞

 78年7月の北朝鮮による蓮池薫さん(49)夫妻の拉致事件で、実行犯として国際手配されている通称「チェ・スンチョル」元工作員に拉致を指示したとして、警察当局は22日にも、北朝鮮の工作機関「対外情報調査部(現35号室)」に所属していた指導員2人について国外移送目的略取などの容疑で逮捕状を請求する。北朝鮮による拉致事件で、北朝鮮国内から実行犯に拉致を指示していた人物への逮捕状請求は初めて。

 警察当局の調べでは、指示役はいずれも通称の「キム・ナムジン」と「ハン・クムニョン」の両容疑者。ともに現在70〜80歳代で北朝鮮国内にいるとみられる。拉致当時は対外情報調査部で「指導員」の地位にあり、拉致後にハン容疑者は対日課長に、キム容疑者は同課副課長に昇格したという。

 これまでの調べでは、キム容疑者は蓮池さんと食事をした際、「(チェ元工作員に)連れてこいと言ったのは私だ」と打ち明けたという。「女性を狙ったが、一緒にいたからお前も拉致した」とも説明された。

 また、ハン容疑者は蓮池さん夫妻の拉致後、チェ元工作員から「成功した」とする無線報告を受けたとされる。北朝鮮の貿易代表団として何度か来日していたという。

 警察当局は、両容疑者が曽我ひとみさん(47)親子や地村保志さん(51)夫妻の拉致事件にも関与した可能性があるとみて調べを進めている。

 蓮池さん夫妻は78年7月31日、新潟県柏崎市の海岸にいた際、「たばこの火を貸してくれないか」と近寄ってきた複数の男に襲われて拉致された。警察当局は06年2月、実行犯をチェ元工作員と特定し、国外移送目的略取容疑などで逮捕状を取っている。

http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY200702210317.html