記事登録
2007年02月22日(木) 10時00分

東京マラソン 都民大迷惑日刊ゲンダイ

 石原慎太郎都知事(74)の肝いりで開催され、どしゃ降りの都心を3万人が駆け回った「東京マラソン」。世界選手権の代表選考会も兼ねたレースだったが、結局、内定条件をクリアした日本人はゼロ。雨のせいで沿道の応援も少なく、話題になったのは最大7時間の交通規制とトラブルばかり。いい思いをしたのは「成功だったと思う。やってよかった」と自画自賛した石原都知事だけだったようだ。

 都心の混乱はすさまじかった。通行止め道路は610本、標識変更は900カ所。何時間も“封鎖”されたコースの沿道は、応援や見物と関係ない人まで規制され、「道を横断させろ!」と怒鳴る通行人と大会関係者の小競り合いがアチコチで繰り広げられた。「人形の久月」など商売あがったりの商店街も多い。都は「渋滞はなかった」と言うが、外出や車に乗るのを諦めた人が多かっただけだ。
「3万人の参加者に合わせ、警備態勢も異常なものでした。動員された警察官5000人は、東京国際女子マラソンの6倍以上。テロ対策のために爆発物処理班や警備犬も投入され、神社に臨時の分署をつくった所轄まであった。都の職員やボランティアの数を含めると、総勢2万人規模になりました」(都事情通)
 大雨の中、本当にご苦労さんだ。これほどバカ騒ぎした市民マラソンは前代未聞だが、世界選手権の代表選考を兼ねた公式試合としては完全に空回り。それでも石原知事はウハウハだろう。今回のレースの本当の目的は、4月の都知事選前の大宣伝。そのために使った都の税金はベラボーだ。
「今大会の予算は12億5000万円。その内訳は都の補助金1億円、1人1万円(10キロ組は5000円)の参加費の合計2億5000万円、協賛金9億円。ただし、動員された警察官や都職員には警備費用などの臨時手当も支払われ、都民の負担は相当なものになる。これが結局、知事の宣伝に使われました。大会を中継したフジテレビでは二男・良純氏がリポーターを務め、テレビ画面には親子そろって映し出されるシーンもありましたよ」(都議会関係者)
 都を食い物にする石原知事の東京マラソン利用は今後も続く。
「来年度の予算案では、都の補助金が今年の1億円から2億6900万円にアップします。それもこれも、石原知事が公約に掲げる16年夏のオリンピック招致のため。アジア最大の東京マラソンをますます大がかりにすることで、国際イベントの開催能力を世界に見せつけようというのでしょう。オリンピック招致に向けたイベント関連予算も、今年の6億円から来年は17億円に増額される。四男が関わっていた美術館といい、都政の私物化もここに極まれりです」(政界事情通)
 時ならぬ大雨にたたられたのも当然か。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070222-00000010-gen-ent