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2007年02月22日(木) 10時00分

最大の同窓会サイト「ゆびとま」って何?日刊ゲンダイ

 読売新聞のスクープ報道(18日)にはオドロキだ。今年1月に破綻したコンピューター関連会社「アドテックス」を巡る民事再生法違反事件で逮捕された下村好男(45)。その下村が、人気同窓会サイト「この指とまれ!」の運営会社「ゆびとま」(本社・長崎市)の社長で、01年まで山口組系組長だったというのだ。
 下村は企業の「乗っ取り屋」として知られ、昨年4月にゆびとまの社長に就任。その半年後にはゆびとまを他社に売却して大儲けを企んでいたという。
 ゆびとまは母校の卒業年次別に実名で登録すると同窓生の近況や連絡先がわかる仕組みになっている最大の同窓会サイト。全国の小学校から大学まで約6万校が登録し、会員数実に358万人。

●会員358万人、超一級の個人情報、流失悪用の危険は…
 気になるのは元組長に乗っ取られたゆびとまのこれからだ。広告スポンサーが逃げ、経営が不安定になれば、会員情報の流出や悪用が心配になる。
「ゆびとまに蓄えられている個人データは凄い価値がある」と言うのはITライターの井上トシユキ氏。
「通常、携帯電話の販売店やレンタルビデオ業者から顧客名簿が流出した場合、本名、本籍地、現住所、生年月日が正確であれば1件当たり500円で名簿業者が取引している。でも、それらはあくまで個別データの集積。統計資料としての価値は低い。ところが、ゆびとまは地域別、出身校別、年齢別の詳細データで構築されている。たとえば福岡市内在住、30歳、男性、未婚と条件検索すれば瞬時に数百人単位の実名が判明する。マーケティング価値は非常に高い。経営が宙に浮けば、データ価値に目を付けた企業で引く手あまたでしょう」
 ゆびとまの利用規約を読むと「本サービスが他企業に営業譲渡された場合には、譲り受け企業に会員の個人情報が引き継がれる」と書いてある。なおさら心配になってくる。
 ネット上でプライバシーをさらすのはほどほどにした方がいい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070222-00000008-gen-ent