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2007年02月22日(木) 00時00分

新選組ゆかりの街 板塀で再生へ朝日新聞

 江戸期に宿場として栄え、新選組にもゆかりの深い東京都町田市の小野路宿通りの街並みを、板塀で再生しようという試みが07年度からスタートする。通りの拡幅工事に合わせて板塀を設ける住民に、市が補助金を支出する予定で、07年度予算案に450万円を計上した。

 小野路宿通りは、市の北部、小野路町内にある長さ約500メートルの都道。江戸中期は、大山(神奈川県伊勢原市)詣での宿場として、にぎわいをみせたという。

 通り沿いには、幕末に近藤勇らが剣術のけいこに訪れ、現在は新選組の資料を展示している小島資料館もあり、宿場の面影を漂わせる板塀や堀が残っている。

 しかし、歩道のない幅5メートル未満の部分もあり、多摩ニュータウンに抜ける車で慢性的に渋滞が発生。

 子どもや高齢者の安全も守ろうと、地元の要望で02年に拡幅が決まった。

 拡幅に向け、地域住民は「小野路宿通り街づくり協議会」を組織。市と協議を続け、宿場の歴史的景観を再生するため、沿道に板塀を新設していくことになった。

 市が予算案に計上したのは「街並み修景支援補助金」事業。沿道の住民が板塀を新設・増設する場合、費用の一部を市が補助していく。

 市都市計画課では、補助割合などを定める要綱を作成中としており、生け垣の管理に補助する仕組みも検討していく。

 また、沿道の市有地の活用策などをまとめる整備計画も07年度に策定する、としている。

 同協議会の新倉孝之会長(71)は「戦災で焼失する以前の通りはもっと風情があった。そのイメージに近づくような、落ち着いた、散策してみたくなる街並みをつくりたい」と話す。

http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000702220002