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2007年02月22日(木) 00時00分

団塊対応策続々朝日新聞

 戦後の高度成長期を支えてきた1947年〜49年生まれの団塊世代の退職が07年度から本格化する。23区の予算案を見ると、こうした世代の「地域デビュー」を促すなど支援したり、大量退職に対応したりする施策も増えてきている。

 新宿区は、退職後にボランティアなどで地域デビュー願望がある団塊世代向けにワークショップ「生涯現役塾」を開講する。豊島区も「地域サポーター塾」と題し、50〜65歳の区民に対しワークショップを開催。すでに地域で活動している人たちの実践例などを学ぶ。

 練馬区は、「団塊世代の受け皿」として地域福祉に関する実践的な教育機関「地域福祉パワーアップカレッジ」(仮称)を開設する。初年度は約20人を募集。修学期間は2年だ。

 すでに55歳からの無料職業紹介所「サポしながわ」を始動させている品川区は、区外の企業に対しても求人の開拓に乗り出す。団塊世代の区民約1万8千人に対し、「求職活動の時期と希望職種」「社会貢献活動への意欲」などアンケートを実施し、地域デビューの年齢などを探る。

 世田谷区は、中高年の地域活動モデル事業として、広報誌特別号の編集やFM世田谷のラジオ番組制作をしてもらう。内容は自分たちで決める。

 中央区は「70歳就労社会」へ向けた高齢者の就労支援策として、「子育て見守りサポーター」など新たな人材登録制度の仕組みづくりをめざす。

 北区は団塊の世代などが対象の起業家支援セミナーを充実させる。「聞く・知る」「事業コンセプトをつくる」「事業計画書を練り上げる」の3段階に分け、心得講座を新設するなどして自分の強みを生かした起業を後押しする。

 墨田区は、新年度から5年間で区内の小学校の教員の2割、約90人が退職することを見込み、新たに「若手教員指導支援室」を設置する。新規採用も大量に増えるため、学校現場の資質の向上を図るためだ。

■目黒など12区で「借金」が上回る

 歳入の柱である特別区税(07年度見込み)と区の借金である区債残高(06年度末見込み)を比較すると、23区のうち12区で区債残高が特別区税を上回っていた。

 昨年は18区。文京、葛飾、江東、江戸川、杉並、世田谷の6区が逆転した。好景気による税収増や三位一体改革の影響がプラスに働いたとみられる。

 歳入に占める特別区税の割合をみると、渋谷(58%)と港(54%)が50%台を超えている一方、荒川(14・6%)と足立(19・6%)は20%台を切っていた。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000702220001