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2007年02月21日(水) 03時13分

ジャックス顧客情報、詐欺団に流出…悪用被害670万読売新聞

 信販大手「ジャックス」(東京都渋谷区)のクレジットカードの個人情報約15万人分が、ダイレクトメール(DM)の作成を依頼した「大日本印刷」(新宿区)の業務委託先の社員によって持ち出されたうえ、うち約3800人分が詐欺グループに売却され、インターネット詐欺に悪用されていたことがわかった。

 外部流出した個人情報により、詐欺の実害が出るケースは極めて異例。警視庁捜査3課は、この業務委託先の社員を詐欺ほう助容疑で逮捕し、これ以外の顧客情報も大日本印刷から持ち出していた可能性が高いとみて追及している。逮捕されたのは、大日本印刷からDM発送用のコンピュータープログラムの作成を請け負っていた練馬区内のシステム開発会社社員、横山博文容疑者(45)。

 ジャックスによると、横山容疑者は2005年2〜5月の間、大日本印刷の電算処理室で作業していた際、14都道府県の約15万人のカード番号や有効期限、氏名、住所などを自分の記録媒体に複写して持ち出していた。

 捜査3課の調べでは、横山容疑者は、このカード情報のうち約3800人分をインターネット上の掲示板サイト「闇の職業安定所」を通じて知り合った男に売却。男ら数人は、この情報を悪用し、49人分のクレジットカードの名義で、家電量販店など約20店のインターネットショッピングサイトから総額約670万円分の家電製品を購入し、買い取り業者に売却していた。この被害についてはジャックスが全額、補償した。

 横山容疑者は02年から大日本印刷の電算処理室に出入りしており、ほかの顧客情報も持ち出していた疑いが強まっている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070221i101.htm