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2007年02月21日(水) 00時00分

民主都連が要求「菅出馬決断しろ」不戦敗許されずZAKZAK

 4月の東京都知事選をめぐり、民主党都連は21日、同党の菅直人代表代行(60)=写真=に出馬するよう申し入れる。党外の著名人候補が相次いで辞退する中、形だけの候補者擁立となれば他の統一地方選や夏の参院選にも影響が出かねないと判断。菅氏は不出馬を表明しているが、石原慎太郎知事(74)に対抗し得る「最強の候補」として出馬再考を促す方針だという。菅氏の決断は−。

 「首都・東京で事実上の不戦敗は許されない。民主党の政権交代への意気込みを示すためにも、最強の候補を立てる必要がある。石原知事がいくら強いといっても、都政私物化問題もあり戦える。菅氏は怖じ気づくような政治家ではない」

 こう語るのは民主党都連関係者。

 都議会民主党は21日、役員会や総会を相次いで開き、都知事選に「最強の候補」の擁立を求める決議文を採択。同日中に党本部に提出する。決議文には菅氏の名前は記さないものの、菅氏を念頭に置いたもので、「菅待望論」の再燃を期待する。

 これまで、民主党の候補者選定では、党外の著名人候補として、前宮城県知事で慶応大学教授の浅野史郎氏を筆頭に、キャスターの筑紫哲也、久米宏、鳥越俊太郎の各氏の名前が浮上したが、候補者が否定している。

 党内からも、海江田万里前衆院議員や小宮山洋子衆院議員、蓮舫参院議員らの名前が挙がったが、3選を目指す石原知事と対決するには力不足なため、常に、国民的知名度もある菅氏の名前が取りざたされてきた。

 これに対し、菅氏は先週15日の記者会見で「私は出ない。小沢一郎代表のもとでの政権交代を目指すことに直接携わる仕事をやっていきたい」と出馬を否定。16日には、菅氏と小沢氏、鳩山由紀夫幹事長が党本部で会談し、菅氏の不出馬を確認していた。

 しかし、候補者選定の作業は難航。都連内部では「都議団の田中良幹事長が、責任を取って出馬せざるを得ない」という見方まで出ていた。

 ある都選出国会議員はこう指摘する。

 「これは田中幹事長が仕掛けたもので、菅氏が出馬しないことを見越したうえで、最終的に自分が責任をとって出馬するというシナリオを描いているのではないか」

 ただ、都連内部で田中氏を推す動きはなく、「首都決戦で都議の出馬など考えられない。党内だけでなく、党外からも『菅待望論』が浮上すれば、菅氏も小沢代表も納得するのではないか」(都連幹部)と期待する。

 菅氏周辺は擁立論を押さえ込むため、市民グループを使って前宮城県知事の浅野氏に再考を促しているが、浅野氏は不快感を示している。

 剣が峰に立たされた民主党の候補者選び。都連が候補者選考の期限としている今月28日の都連パーティーまで残り1週間。菅氏が首都決戦に「義」を感じて石原知事に戦いを挑むのか、注目される。 

ZAKZAK 2007/02/21

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007022127.html