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2007年02月21日(水) 00時00分

慎太郎にダメ出し…三宅島公道でオートバイレース構想ZAKZAK

 三宅島レースは、噴火による全島避難が解除されて1年後の2005年1月末、石原知事が「英国のマン島のようにオートバイレースを誘致すれば若いライダーに人気になる」と発案し、検討され始めた。今年11月の開催予定で、インフラ整備費として4億円も計上されている。

 モデルとなったマン島TTレースは1907年に始まった世界最古の公道オートバイレース。死者も出る危険なレースとして知られる。

 宮城氏は、都とともに大会を主催する日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)から「どうすれば公道レースができるか?」という依頼を受け、昨年7月から三宅島を4回訪問、予定コースの外周道路(30キロ)などを視察・試走した。

 その結果、(1)幅員が6−7メートルと狭く道路沿いに家屋や石垣などがある。クラッシュパッド(緩衝材)などで対策しても安全性は不十分(2)都内の総合病院まで最短40分かかり、救急設備も不十分(3)車両の安全地帯がなく、事故の場合は2次災害が懸念される−などと判断。

 「絶対に公道レースはやってはいけない」と結論づけ、「小さくてもいいからサーキットを作るべきだ」と提案した。

 しかし、都が昨年12月26日に発表した「第1回三宅島オートバイレース大会(仮称)の概要」では、コースは当初予定の外周道路のまま。

 このため、宮城氏は今月5日、前述の理由などを添えて「公道レースは絶対的に開催すべきではない」という報告書を都やMFJに提出したが反応はないという。

 世界選手権参加経験のある難波恭司氏(43)も昨年8月に同様のリポートを提出したが、一切無視されたままだ。

 「現状では選手に『死ね』というようなもの。レースに危険はつきものだが、選手は安全性が確保されて初めて危険に挑める。命知らずとは違うということを石原知事に理解してもらいたい」

 これに対し、都は「公道を使い、安全性を確保できるレースを検討中」といい、MFJの神谷忠ロードレース副委員長も「スピードを競うのでなく、安全に配慮したレースにすれば問題ない」と語り、オートバイメーカーに協力を要請したが、反応は厳しい。

 業界をリードする本田技研工業は「二輪車レースはサーキットがふさわしいと考える。安全の確保が極めて難しい公道レースは賛同しかねる」(広報部)と反対する。

 極限の戦いをしてきた元プロやトップメーカーから“殺人レース”とまで言われる三宅島レース。石原知事はどうするのか。  

ZAKZAK 2007/02/21

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007022101.html